はじめに

一台のPCを用いて仮想環境を複数構築するVirtual Private Server(VPS)は非常に便利な機能です。

VPSではユーザごとに利用する層が分けられているため、レンタルサーバのように多くを共用するものとは異なり、互いに干渉し合うケースは少なくなっています。

自分のPCを使ってVPSを構築するのも良いですが、VPSをより使いやすくしてサービスを展開する企業も多く存在しています。

国内ではさくらのVPSやさくらのクラウド、GMOのConoHaなどが割と使いやすい印象を持ったサービスです。

他にも海外ではLinodeやDigital Ocean、そしてVultr(ヴァルチャー)がよく話題に挙がるサービスだと思われます。

あらゆる点で最高品質を求めるならば、Amazon Web Services(AWS)あるいはGoogle Cloud Platform(GCP)などが良いのですが、これらはコストパフォーマンスを考えるとそこまで良いとは言えません。

というように様々なサービスがありますが、個人的に特におすすめするのはVultrです。

Vultrについて簡単に良いポイントを挙げると『高品質』『低価格』『高機能』『シンプルなユーザーインターフェース』『サポートの質』などです。

他のサービスもそれぞれメリットがあるのですが、個人的にはVultrが一番使いやすいVPSだと感じており、Vultrが登場して8年になりますが、私自身5年以上愛用しています(当サイトでも使用中)。

今回の記事では、そのVultrについての色々な情報を紹介していきます。

なお、Vultrはサービスに関する良質な記事(英語)を求めており、Vultr内におけるドキュメントの作成で良質な記事を提供した執筆者には最大600ドルのボーナスが支給されます(以前より報酬が2倍になりました)。

FAQや各種ガイド、ドキュメントやAPIの詳細などは以下のページからご覧ください。

Vultr周辺の最新ニュースを知りたい場合には、公式ブログをチェックしてください。

※この記事はVultrのリファラルを使用していますが、そのリンクを経由して登録したユーザには100ドル分のチャージが無料で付与されるため、お得となっています。

Vultrとは

Vultrは2014年2月に誕生した、主にVPSクラウドサービスを展開するサービスで、The Constant Companyというクラウドコンピューティングに関連するサービスを専門にした企業が親会社として運営しています(2021年にChoopaから変更されましたが、所在地は同じ)。

本社はアメリカ、フロリダ州のウェストパームビーチにあります(以前はニュージャージー州)。

Vultrはシンプルで信頼性がある高性能クラウドを提供することを目的としており、ユーザーにとって使いやすく優位性のあるツールを日々開発しています。

製品ページで挙げられている機能には『25箇所のサーバロケーション』『OSの組み合わせ自由』『ワンクリックアプリ』『バックアップやファイアウォール、DDoS防護などのアドオン』『管理しやすいコントロールパネル』『長期契約無し(従量制)』『100%のSLAを保証』『APIまたはTerraformによる制御』『最高クラスのAMDおよびIntelのCPU』『NVMe SSD採用』『仮想プライベートクラウド』『パブリックIPv6ネットワーク』『完全なRoot管理者アクセスと専用IPアドレス』『カスタムISO』など、多岐に渡ります。

25箇所のサーバロケーションがあるデータセンターは北米、南米、ヨーロッパ、アジア(当然ながら日本の東京も含まれています)、オーストラリアです。

今では世界150ヶ国以上、150万人以上の顧客に対してサービスを提供している実績があります。

また、これら顧客から作り出されたサーバはこれまでに5000万台以上あり、他にもVultrのサポートは毎月3万5千件の問い合わせに対応しているとのこと。

あらゆる端末での利用も対応済みであり、デスクトップ、タブレット、モバイル、それぞれに最適化されたインターフェースで操作することが可能です。

他にもマーケットプレイスと呼ばれるVultr内で使用可能な様々なアプリケーションを試すこともでき、開発者はベンダーとして作成したアプリケーションをVultrに登録可能です。

更にサービス品質保証(SLA - Service Level Agreement)100パーセントを掲げており、万が一サービスが少しでも停止した場合には相応の対価を顧客に提供する方針を持っています。

なお、帯域に関してはプランによって月1TB~14TBほどが使用可能となっています(超過した場合は1GB当たり0.01から0.05ドルが請求される)。

ただ、他社のサービスでは転送量無制限をアピールしているものがありますが、結局のところ無制限のサービスを使っていたとしても場合によっては制限がかかるパターンもあるので(規約にも大抵書かれている)、目に見える形の方が良いのかもしれません(そもそも過剰アクセスの発生や非常に大きなデータ配信目的でない限り、そこまで問題無い転送量です)。

というように、Vultrは中々の品質を持っていることから、日本でもそれなりに高い評価を得ています。

ちなみにVultr公式ブログが2022年3月にリリースした記事によると、親会社であるThe Constant Companyは年間経常収益(ARR - Annual Recurring Revenue)が1億2500万ドルに到達したと発表しており、Vultrによって非常に大きなビジネスを獲得しています。

特徴

Vultrの特徴を簡単に紹介すると以下のとおりです。

高品質:すべてのインスタンスは高性能CPUを搭載、ストレージは全てSSD(NVMeをほとんどで利用)

ロケーション:北米、南米、ヨーロッパ、アジア(日本含む)、オーストラリアの計25ヶ所

低価格:インスタンスは従量制で月2.5ドル(1h - 0.004ドル)から、ストレージは月1ドルから、ロードバランサーは1台で月10ドル

支払い方法:クレジットカード、Paypal、暗号通貨、Alipay、電信送金、ギフトカードを使用可能(すべてチャージ式)

コントロールパネル:シンプルで使いやすく、数回のアクションで目的を達成できる

API:提供済み

サポート:非常にレスポンスが早い

多機能:『Snapshots』『Automatic Backups』『Custom ISO』『DNS』『Startup Scripts』『Direct Connect』『Firewall』『DDoS Protection』『Virtual Private Clouds』『VPC Peering』『BGP』『Reserved IPs』『Marketplace Apps』など

次のセクションではそれぞれの特徴について説明します。

高品質

Vultrは高品質な製品を破壊的な価格で提供することにこだわりがあり、それがサービスの人気を裏付けています。

最近では非常に高性能なサーバ向けCPUのAMD EPYCを採用したプランも登場していたり、他にも大半のプランでNVMe SSDを使用しているため、高速な動作を享受できます。

できる限り高いサーバ性能を活用したいならば、物理サーバをそのまま利用できるBare Metal、もしくは仮想領域を共用ではなく専有して使用できるOptimized Cloud Computeがおすすめです。

他にもKubernetesの利用は無料となっており、インスタンスやオプションの利用料金しかかからないのもメリットです。

回線速度についても異常を感じた経験はなく、良質な部類にあると思います。

ダウンロード速度に関しては実際に.binファイルを使ってテストすることもできます。

ロケーション

ロケーションは前述したように世界25ヶ所に点在しています。

詳細は以下のとおりです。

北米:シカゴ、ダラス、シアトル、ロサンゼルス、アトランタ、シリコンバレー、トロント、マイアミ、メキシコシティ、ホノルル、ニュージャージー

南米:サンパウロ

ヨーロッパ:アムステルダム、ロンドン、フランクフルト、パリ、ワルシャワ、マドリッド、ストックホルム

アジア:東京、ソウル、シンガポール、ムンバイ

オーストラリア:シドニー、メルボルン

これらロケーションはすべて、低遅延で高性能なネットワークを顧客が体験するためにVultrネットワークチームによって最適化されています。

また、複数のトランジットプロバイダを活用し、最大の信頼性を実現するためにマルチホームアーキテクチャを用いてゼロから冗長ネットワークを設計しています。

低価格

高品質のセクションでも話したようにVultrは良い製品を低価格で提供しており、インスタンスの利用代金は、使用した時間だけを請求する従量制を採用しています。

月額制であればあまり使わなくても大きくお金がかかってしまうため、従量制は大変便利であり、テスト等で軽く使う程度ではほとんどお金がかかりません。

それだけでなく、1ヶ月丸々使ったとしても優良な価格設定にもなっています。

最も安いインスタンスであるRegular Performance(Cloud Compute)が月2.5ドル(1h - 0.004ドル)であり、ストレージ(Block Storage)は10GB(NVMe SSD)で月1ドルから使用できます。

非常に多くの処理をこなすための装置が必要な場合は、やはり相応のプランを使わなければなりませんが、それでもAWSなどを使った時と比べるならばVultrのコストパフォーマンスは間違いなく良質でしょう。

支払い方法

Vultrではクレジットカード、Paypal、暗号通貨、Alipay、電信送金(Wire Transfer)、ギフトカードで使用料金を支払うことができます。

これらはすべてチャージ型であり、月末や契約から一定期間経過等で料金を一括で支払うのではなく、事前にアカウント内にチャージしておくタイプです。

クレジットカードは基本として、PaypalやAlipayといった決済プラットフォームだけでなく、暗号通貨でも支払うことができるのは柔軟性に富んでいます。

なお、暗号通貨支払いでは執筆時点でBTC(Bitcoin)、BCH(Bitcoin Cash)、ETH(Ethereum)、DOGE(Dogecoin)、PAX(Pax Doller)、BUSD(Binance USD)、LTC(Litecoin)、USDC(USD Coin)、GUSD(Gemini USD)に対応しています。

暗号通貨で支払いが可能ということは、やり方によっては匿名のままVultrを使うこともできると思ってしまいそうですが、クレジットカードかPaypalのアカウントを登録しないと暗号通貨払いは使えないようになっています。

電信送金についてはACHを用いた送金およびWire Transfersの両方が利用可能です。

コントロールパネル

多機能のサービスでは情報量が多いために、ユーザにとって分かりにくいインターフェースになってしまうパターンをちらほら見かけます。

しかし、Vultrではシンプルかつ見やすいコントロールパネルを構築していることから、非常に使用が容易なUIおよびUXを備えています。

白と青を基調にした洗練されたシンプルデザインに加え、多くの項目はよくありがちなアイコンのみで表示せずに文字でも項目を説明するなど、大変分かりやすくて使いやすいものとなっています。

また、コントロールパネルはデスクトップPCだけでなくスマートフォン、タブレットにも最適化されています(レスポンシブデザイン)ので、モバイル端末でも簡単に管理することが出来ます。

API

APIはApplication Programming Interfaceの略で、アプリケーション開発を容易にするためのインターフェースです。

VultrではAPIに対応していることから、一定の知識があれば自動化等のツール開発を行えます。

他にも開発の補助となる計算機やコンバータなどの開発ツールも用意されています。

サポート

Vultrのサポートは非常に迅速な対応を行います。

サポートに問い合わせを送った場合、大抵は30分以内、早ければ数分程で返事が返ってきます。

Vultrはドキュメント等で一部多言語化しているものの主に英語の海外サービスであることから、直接文章で問い合わせすることに躊躇する方が一定数存在すると思います。

しかし、簡単な事(課金の制限解除など)であればGoogle翻訳を使って問い合わせしても、ある程度はこちらの意図を汲み取ってすぐに対処してくれるため、安心して問い合わせすることが可能です。

多機能

Vultrにはサーバ運用に役立つ、非常に多くの機能が搭載されています。

Snapshots

Snapshotsは手動でサーバ全体のデータを完全にコピーするシステムです。

事前にコピーしておくことで、何らかの不具合等がサーバで発生しても障害から復旧することが容易です。

Vultrでのスナップショットはインスタンスを停止することなくコピー可能であり、展開を自動化できます。

スナップショットからの復旧では、正常でない再起動後の状態と似ていますが、最新のファイルシステムとデータベースでは正常に稼働します。

ただし、非常に書き込みが集中するとてもアクティブなデータベースタイプのシステムを実行している場合は、データの一貫した状態を保証するために追加の対策を講じることができます。たとえば、MySQLの場合にはローカルファイルシステム上の別のディレクトリにmysqldumpを実行するようにcronジョブを設定できます。

また、スナップショットを他のインスタンスに復元する際は、インスタンスのストレージがスナップショットのデータサイズ以上ではない場合には復元できません。

加えて、スナップショットはいくつでも作成できますが、削除した場合は永続的に消去されます。

なお、Bare Metalの場合はスナップショットを利用できないため、サードパーティ製のバックアップツールを使う必要があります。

Snapshotsの料金設定は1GBあたり0.05ドルです。

Automatic Backups

Automatic Backupsはスケジュール化された自動バックアップを行うシステムです。

Snapshotsとの違いとして、スナップショットでは手動でサーバデータをバックアップしますが、自動バックアップは設定された期間ごとにバックアップを行うもので、システム的にはほとんど同じです。

他にも自動バックアップでは最大2つのバックアップを保持します。それ以上のバックアップが必要な場合は、スナップショットとして保存することができます。古いバックアップは新しいバックアップが実行されたあとに削除されます。

バックアップの実行はAPIを用いて毎日、隔日、毎週、または毎月実行するように構成可能であり、時刻や曜日の設定もできます。

スナップショットと同じく、自動バックアップはサーバー全体のスナップショットのみを復元できるため、個々のファイルは復元できません。

また、インスタンスに接続されたBlock Storageのボリュームは自動バックアップに含まれません。

料金設定はバックアップ対象のインスタンスの料金に、プラス20%が加算されるようになっています。

Custom ISO

Custom ISOは独自のISOファイルをアップロードして、インスタンスで利用できるシステムです。

Vultrには既に用意されているISOライブラリを使って様々なOSを構築することができますが、好みのものが無い場合にはカスタムISOとして別のOSを利用できます。

搭載済みのライブラリに関しては以下のページに記載されています。

アップロード可能なカスタムISOの機能を活用することで、もし使用中のOSが何らかの原因で破損や起動不可になった場合でも、レスキュー用のISOによってシステム構成を復旧できる可能性が高まります。

なお、Custom ISOの使用料金は無料です。

DNS

DNSはDomain Name Systemの略で、インターネット上のドメイン名とIPアドレスを変換する仕組みを提供するシステムのことです。

ユーザはVultr独自のDNSホスティングを無料で使用することができ(強制ではない)、VultrのネームサーバはAnyCASTネットワーク上に構築されているため、高速なDNS解決を保証しています。

Vultr DNSはDNSSECをサポートしていますが、PTRレコードを作成するためのarpaゾーンの追加をサポートしていません。

PTRレコードを作成する必要がある場合は以下のページを参照してください。

また、Vultr DNSでの最小TTLは120秒となっています。

Startup Scripts

Startup Scriptsはデプロイ時に実行するスクリプト、またはオペレーティングシステムのインストールを自動化するiPXEスクリプトです。

このスクリプトは、サーバーが最初に起動したときにサーバー上で実行されるため、それ以降の再起動では実行されません。

また、Vultrのインスタンスはオペレーティングシステムに応じてBoot scripts(Windowsおよび*BSDシステム)、cloud-init(Linux)、Ignition(FedoraCoreOS)の3つの起動方法のいずれかを使用します。

なお、Startup Scriptsの利用は無料です。

Direct Connect

Direct ConnectはVultrを他のクラウドサービスプロバイダーやコロケーション施設、またはオンプレミスデータセンターへプライベート接続する機能です。

パブリックインターネット経由でのデータ接続は余分な接続が増えるので低速なだけでなく、セキュリティ的にも良くありません。しかし、VultrのDirect Connectであれば不必要な接続を行わずに直接データセンターと接続できるため、安心して使用できるだけでなくコストも抑えられます。

接続の方法には2種類あり、一つはHosted connectivity、もう一つがDedicated connectivityです。

Hosted connectivityは信頼できるサービスプロバイダ(AWSやGCP、独自のコロケーション)を経由してVultrのネットワークに接続します。

Dedicated connectivityは外部のインフラストラクチャから物理的にVultrのネットワークに直接接続します。

料金設定はネットワーク速度によって変化し、従量制となっているため使った分だけ課金されます。

なお、Dedicated connectivityは専用回線であることから、高額なプランでしか使用できないようになっています。

価格速度接続
月5ドル(1h - 0.007ドル)50 MbpsHosted
月10ドル(1h - 0.014ドル)100 MbpsHosted
月20ドル(1h - 0.028ドル)200 MbpsHosted
月30ドル(1h - 0.042ドル)300 MbpsHosted
月40ドル(1h - 0.056ドル)400 MbpsHosted
月50ドル(1h - 0.069ドル)500 MbpsHosted
月100ドル(1h - 0.139ドル)1 GbpsHosted
月250ドル(1h - 0.347ドル)5 GbpsHosted
月500ドル(1h - 0.694ドル)10 GbpsHosted, Dedicated
月750ドル(1h - 1.042ドル)25 GbpsDedicated
月1000ドル(1h - 1.389ドル)100 GbpsDedicated

Firewall

Vultr Firewallは1つ以上のインスタンスを保護する、Webベースのファイアウォールソリューションです(グループごとに最大50のルール)。

このファイアウォールは柔軟性があり、単一のファイアウォールグループで複数のサーバーを管理することができるだけでなく、再起動やダウンタイムなしでサーバを異なるファイアウォールグループ間で移動することも可能で、他にもVultr APIを使ったファイアウォールの管理も行えます。

Vultr Firewallは追加されたルールに一致するトラフィックを除き、ICMP、TCP、UDP、およびGREプロトコル上のすべてのトラフィックをドロップ(破棄)します。つまり、デフォルトではすべての接続をブロックします。これが許容できる場合は、OS内のファイアウォールを使わずともVultr Firewallで十分に対策できます。

ただし、OSファイアウォールでは、ICMPメッセージ処理などのより細かいルールのカスタマイズが可能です。そのため、より詳細にカスタマイズを行いたい場合には、Vultr Firewallに加えてOSファイアウォールを使用する必要があります。

なお、Vultr Firewallはパブリックトラフィックのみに影響するため、プライベートネットワーク内には作用しません。

また、BGP機能(後のセクション)を使用してアナウンスされたIPスペースを含む、インスタンスに関連するすべてのトラフィックはVultr Firewallによってフィルタリングされます。

このファイアウォールは小規模な攻撃への対策には役立ちますが、大規模な攻撃の場合は防ぎきれない場合があります。もし攻撃がサーバの運営上問題になっている場合は、DDoS Protectionを用いることをおすすめします。

Vultr Firewallの使用料金は無料です。

DDoS Protection

DDoS Protectionは、DDoS攻撃に対する保護層を作成してサーバを保護する、ネイティブインフラストラクチャです。

すべてのロケーションで使用可能であり、攻撃を検知すると60秒以内に攻撃とみなされた接続を攻撃軽減用の場所へルーティングされます。

DDoS Protectionは保護されるインスタンスごとに10Gbpsの緩和能力を追加し、接続されているすべてのIPv4アドレスを保護します。

また、将来的には10Gbpsを超えるカスタム保護レベルが利用可能になる予定です。

料金設定は最大10Gbpsで月10ドル(1h - 0.015)となっています。

Virtual Private Clouds

Virtual Private Clouds(VPC)はいわゆるプライベートネットワークです。以前はPrivate Networkingという名称でしたが、しばらく前に変更されました。

VPCは構成が簡単な、最大126(初期設定はロケーションごとに5つまで)のクラウドインスタンスをサポートするプライベートネットワークシステムであり、VPCを使用すると共有またはセグメント化されたプライベートネットワークを作成できます。

VPCは同じVPC内の他のクラウドサーバーからのアクセスを許可することができます。

これはトラフィックをパブリックインターネットに公開することなく、バックアップ、レプリケーションおよびその他のバックエンドタスクを完全なプライバシーを備えたまま実行できます。

そしてVPCは完全にプライベートな構成となっていることから、他の顧客はトラフィックを見ることができないようになっていますが、もしVPC間または別の顧客のVPCにトラフィックを渡す必要がある場合は、VPC Peering(後のセクション)を設定すれば可能です。

なお、VPCはDHCPが無いため、IPアドレスを手動で構成するか、独自のDHCPサーバーを提供する必要があります。また、Bare MetalではVPCを使用することができません。

Virtual Private Cloudsの使用料金は無料となっており、帯域幅に対しても課金はありません。

VPC Peering

VPC Peeringは2つのVPC間でトラフィックをルーティングするシステムです。

これにより、同じアカウント内または異なるアカウント間でVPCを確立できます。

VPC Peeringを使用する場合、同じロケーションに2台のVultrVPCが必要であり、各VPCのIPサブネットは重複してはなりません。

そして、VPC Peeringは1対1の関係であることから、1つのVPCを複数のVPCに接続することはできません。

更に両方のVPCのサブネットは、RFC1918と互換性がある必要があります。有効なIP範囲は次のとおりです。

10.0.0.0から10.255.255.255(10/8 prefix)

172.16.0.0から172.31.255.255(172.16 / 12 prefix)

192.168.0.0から192.168.255.255(192.168 / 16 prefix)

なお、VPC Peeringは通常のVPCと同じく使用料金が無料になっています。

BGP

BGPはBorder Gateway Protocolの略で、Vultr BGPは独自のIPスペースを持ち込むことで、どのロケーションでも使用することができます(ただし、Bare MetalではFull Tableはサポートされていません。)。

BGPを使用するにはデプロイされたVultrサーバインスタンスと、独自のIPスペース(v4またはv6のいずれか)が必要です。

また、独自のASN(Autonomous System Number)がある場合はそれを使用するか、もしくはプライベートASNを割り当てることができます。

なお、アカウントにBGPがセットアップされる前にインスタンスがデプロイされた場合は、コントロールパネルからインスタンスを再起動する必要があります。コントロールパネルを介して再起動するまでBGPは既存のインスタンスで機能せず、SSHを介した再起動では不十分です。

加えて、Vultr BGPの接続を確立するためにTCPMD5認証が必要です。これはtelnetなどを使用して接続をテストできないことを意味します。通常、接続の問題をトラブルシューティングするために、tcpdumpを使用してトラフィックを監視することをお勧めします。

料金設定に関して、Vultr BGPは無料で使用することができます。

Reserved IPs

Reserved IPsは任意のサーバーインスタンス間で予約済みのIPアドレスを接続もしくは分離および移動する機能です。

IPがインスタンスに接続されていない場合は、BGPを使用してフローティングIPで高可用性を実現することも可能です。

ただし、IPアドレスは単一のロケーションで予約されることから、ロケーション間を移動することはできません。

また、新規に割り当てたIPはすぐに破棄できますが、その割り当てられたIPは最低24時間カウントされます。予約済みIPには追加料金が必要なため、何度も繰り返すことはコストの増加に繋がります。

Reserved IPsの料金設定は月3ドル(1h - 0.004ドル)です。

Marketplace Apps

Marketplace Appsはワンアクションでインスタンスに設置可能なアプリケーションです。

もともとはワンクリックアプリ(One Click Apps)としてVultrに搭載されていましたが、第三者の認証済みベンダーが提供するアプリと統合し、マーケットプレイスとして稼働するようになりました。

Vultr Marketplace Appsではブログやゲームサーバ、ファイル共有に開発ツールなど、数多くのアプリケーションが登録されており、執筆時点では56のアプリが存在しています。

プラン一覧

Vultrが提供する主なプランは『Cloud Compute』『Optimized Cloud Compute』『Bare Metal』『Kubernetes』『Block Storage』『Object Storage』『Load Balancers』『Managed Databases』『Cloud GPU』の9つです。

Cloud Compute

『Cloud Compute』はVultr内で最もポピュラーなVPSクラウドサービスであり、強力なCPUおよびストレージ(100% NVMe SSD)を搭載したPCによって構築された複数の共有仮想領域を各ユーザに割り当てているプランです。

Cloud Computeではその中で更に複数のプランがあり、『AMD High Performance』『Intel High Performance』『Intel High Frequency』『Intel Regular Performance』の4つが選択可能となっています。

AMD High Performance

AMD High Performanceは使用するCPUにAMD EPYCを搭載したハイパフォーマンスなプランです。

EPYCはサーバグレードのCPUとして大変高品質な製品であり、Vultrでは第3世代のEPYC(最大64コア、最大周波数3.675GHz)を搭載しています。

なお、このプランはCloud Computeを選択した際にデフォルト設定されていることから、ほとんどのユーザーに推奨されています。

AMD High Performanceの料金設定およびスペックは以下のとおりです。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月6ドル(1h - 0.009ドル)1 vCPU1 GB25 GB2 TB
月12ドル(1h - 0.0018ドル)1 vCPU2 GB50 GB3 TB
月18ドル(1h - 0.0027ドル)2 vCPU2 GB60 GB4 TB
月24ドル(1h - 0.0036ドル)2 vCPU4 GB100 GB5 TB
月48ドル(1h - 0.0071ドル)4 vCPU8 GB180 GB6 TB
月72ドル(1h - 0.0107ドル)4 vCPU12 GB260 GB7 TB
月96ドル(1h - 0.0143ドル)8 vCPU16 GB350 GB8 TB
月144ドル(1h - 0.0214ドル)12 vCPU24 GB500 GB12 TB

Intel High Performance

Intel High Performanceは使用するCPUに最新のIntel Xeonを搭載したハイパフォーマンスなプランです。

XeonもサーバグレードのCPUとして非常に優れた性能を持っており、そのパワーを生かして高速に処理を行うことが可能です。

ただ、その性能はEPYCと比べるとやや控えめであり、これまでIntel製CPUにこだわってきたVultrですらCloud ComputeのデフォルトにAMDが選ばれていることを考えると、EPYCを使ったプランの方がおすすめなのかもしれません。

しかしながら、Xeonのすべてが劣っているわけではないため、ニーズに合わせて柔軟に選択できるのはメリットと言えます。

なお、料金設定に関してはEPYCと同じ価格および基本スペックとなっています。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月6ドル(1h - 0.009ドル)1 vCPU1 GB25 GB2 TB
月12ドル(1h - 0.0018ドル)1 vCPU2 GB50 GB3 TB
月18ドル(1h - 0.0027ドル)2 vCPU2 GB60 GB4 TB
月24ドル(1h - 0.0036ドル)2 vCPU4 GB100 GB5 TB
月48ドル(1h - 0.0071ドル)4 vCPU8 GB180 GB6 TB
月72ドル(1h - 0.0107ドル)4 vCPU12 GB260 GB7 TB
月96ドル(1h - 0.0143ドル)8 vCPU16 GB350 GB8 TB
月144ドル(1h - 0.0214ドル)12 vCPU24 GB500 GB12 TB

Intel High Frequency

Intel High Frequencyは従来から存在しているプランであり、3GHz以上のIntel Xeon CPUを搭載しています。

高周波のCPUを用いることで、当然ながら更にパフォーマンスを向上することができます。

公式のベンチマークではIntel BroadwellのCPUと比べると、マルチコア時で89%、シングルコア時で58%のパフォーマンス向上を記録しています。

更にメモリパフォーマンスも良くなっており、マルチコア時(4GB RAM)で86%、シングルコア時(4GB RAM)で28%の向上がありました。

料金設定およびスペックはHigh Performanceと比べて少々異なっています。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月6ドル(1h - 0.009ドル)1 vCPU1 GB32 GB1 TB
月12ドル(1h - 0.0018ドル)1 vCPU2 GB64 GB2 TB
月18ドル(1h - 0.0027ドル)2 vCPU2 GB80 GB3 TB
月24ドル(1h - 0.0036ドル)2 vCPU4 GB128 GB3 TB
月48ドル(1h - 0.0071ドル)3 vCPU8 GB256 GB4 TB
月96ドル(1h - 0.0143ドル)4 vCPU16 GB384 GB5 TB
月144ドル(1h - 0.0214ドル)6 vCPU24 GB448 GB6 TB
月192ドル(1h - 0.0286ドル)8 vCPU32 GB512 GB7 TB
月256ドル(1h - 0.0381ドル)12 vCPU48 GB768 GB8 TB

Intel Regular Performance

Intel Regular Performanceは旧世代のIntel CPUを用いたプランです。

古いCPUであることから、同じ環境において他のプランよりも優れたパフォーマンスを発揮することは難しいですが、価格がやや安くなっていることや、より多くのスペックを備えた高額プランが用意されています。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月2.5ドル(1h - 0.004ドル)1 vCPU0.5 GB10 GB0.5 TB
月3.5ドル(1h - 0.005ドル)1 vCPU0.5 GB10 GB2 TB
月5ドル(1h - 0.007ドル)1 vCPU1 GB25 GB1 TB
月10ドル(1h - 0.015ドル)1 vCPU2 GB55 GB2 TB
月20ドル(1h - 0.030ドル)2 vCPU4 GB80 GB3 TB
月40ドル(1h - 0.060ドル)4 vCPU8 GB160 GB4 TB
月80ドル(1h - 0.119ドル)6 vCPU16 GB320 GB5 TB
月160ドル(1h - 0.238ドル)8 vCPU32 GB640 GB6 TB
月320ドル(1h - 0.476ドル)16 vCPU64 GB1280 GB10 TB
月640ドル(1h - 0.962ドル)24 vCPU96 GB1280 GB15 TB

Optimized Cloud Compute

Optimized Cloud Computeは共有仮想CPUで実行されるCloud Computeとは異なり、ユーザごとに専用の仮想CPUを利用することができます。

そのため、過剰にリソースを消費しているユーザが存在するケースのような、サーバに大きな悪影響を及ぼすことはありません。

CPUはすべてAMD EPYCを採用しており、ストレージはCloud Computeと同じくNVMe SSDを100%採用しています。

また、Optimized Cloud ComputeはAWSのEC2(Elastic Compute Cloud)等の大企業が運営しているクラウドソリューションに対する手頃な代替手段として設計されており、『汎用』『CPU最適化』『メモリ最適化』『ストレージ最適化』というように、ユーザが求める用途に合った種類を選ぶことが可能です。

General Purpose(汎用)

General PurposeはCPU、メモリ、ストレージに対してのバランスの取れたスペックを提供しています。

Vultrはこのプランでの主な用途として、ウェブおよびアプリケーションサーバー、eコマース、ゲームサーバー、動画および音声ストリーミング、APIサービスおよびリレーショナルデータベースなどを挙げています。

料金設定は以下のとおりで、最大96の仮想CPU、255GBのRAM、1280GBのストレージを使用することができます。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月30ドル(1h - 0.045ドル)1 vCPU4 GB30 GB4 TB
月60ドル(1h - 0.089ドル)2 vCPU8 GB50 GB5 TB
月120ドル(1h - 0.179ドル)4 vCPU16 GB80 GB6 TB
月240ドル(1h - 0.357ドル)8 vCPU32 GB160 GB7 TB
月480ドル(1h - 0.714ドル)16 vCPU64 GB320 GB8 TB
月720ドル(1h - 1.071ドル)24 vCPU96 GB480 GB9 TB
月960ドル(1h - 1.429ドル)32 vCPU128 GB640 GB9 TB
月1200ドル(1h - 1.786ドル)40 vCPU160 GB768 GB10 TB
月1920ドル(1h - 2.857ドル)64 vCPU192 GB960 GB11 TB
月3840ドル(1h - 5.714ドル)96 vCPU255 GB1280 GB12 TB

CPU Optimized(CPU最適化)

CPU Optimizedではその名の通りCPUをメインにしたプランです。

Vultrはこのプランでの主な用途として、動画エンコーディング、バッチ処理、CI / CD、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、広告配信、分析処理などを挙げています。

他のプランよりもメモリやストレージの量などが劣りますが、CPU性能はそのままで廉価なサーバを作成することができます。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月28ドル(1h - 0.042ドル)1 vCPU2 GB25 GB4 TB
月40ドル(1h - 0.060ドル)2 vCPU4 GB50 GB5 TB
月45ドル(1h - 0.067ドル)2 vCPU4 GB75 GB5 TB
月80ドル(1h - 0.119ドル)4 vCPU8 GB75 GB6 TB
月90ドル(1h - 0.134ドル)4 vCPU8 GB150 GB6 TB
月160ドル(1h - 0.238ドル)8 vCPU16 GB150 GB7 TB
月180ドル(1h - 0.268ドル)8 vCPU16 GB300 GB7 TB
月320ドル(1h - 0.476ドル)16 vCPU32 GB300 GB8 TB
月360ドル(1h - 0.536ドル)16 vCPU32 GB500 GB8 TB
月640ドル(1h - 0.952ドル)32 vCPU64 GB500 GB9 TB
月720ドル(1h - 1.071ドル)32 vCPU64 GB1000 GB10 TB

Memory Optimized(メモリ最適化)

Memory Optimizedは他のプランと比べて搭載されているメモリが潤沢になっています。

主な用途としてオープンソースデータベース(MySQLなど)、インメモリデータベースとキャッシュ(Memcachedなど)、およびリアルタイム分析が最適とされています。

価格設定は少し変わっており、仮想CPU数とメモリが増加してもストレージの削減によって価格が廉価になるパターンがあります。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月40ドル(1h - 0.060ドル)1 vCPU8 GB50 GB5 TB
月80ドル(1h - 0.119ドル)2 vCPU16 GB100 GB6 TB
月100ドル(1h - 0.149ドル)2 vCPU16 GB200 GB6 TB
月125ドル(1h - 0.186ドル)2 vCPU16 GB400 GB6 TB
月160ドル(1h - 0.238ドル)4 vCPU32 GB200 GB8 TB
月195ドル(1h - 0.290ドル)4 vCPU32 GB400 GB8 TB
月250ドル(1h - 0.372ドル)4 vCPU32 GB800 GB8 TB
月320ドル(1h - 0.476ドル)8 vCPU64 GB400 GB9 TB
月390ドル(1h - 0.580ドル)8 vCPU64 GB800 GB9 TB
月500ドル(1h - 0.744ドル)8 vCPU64 GB1600 GB9 TB
月640ドル(1h - 0.952ドル)16 vCPU128 GB800 GB10 TB
月785ドル(1h - 1.168ドル)16 vCPU128 GB1600 GB10 TB
月1000ドル(1h - 1.488ドル)16 vCPU128 GB3200 GB10 TB
月960ドル(1h - 1.429ドル)24 vCPU192 GB1200 GB11 TB
月1175ドル(1h - 1.749ドル)24 vCPU192 GB2400 GB11 TB
月1500ドル(1h - 2.232ドル)24 vCPU192 GB4800 GB11 TB
月1280ドル(1h - 1.905ドル)32 vCPU256 GB1600 GB12 TB
月1565ドル(1h - 2.329ドル)32 vCPU256 GB3200 GB12 TB
月2000ドル(1h - 2.976ドル)32 vCPU256 GB6400 GB12 TB

Storage Optimized(ストレージ最適化)

Storage Optimizedはより多くのストレージ量に特化したプランです。

使用用途としては大規模な非リレーショナルデータベース(CassandraやMongoDBなど)および高頻度オンライントランザクション処理(OLTP - Online Transaction Processing)などが最適です。

ただし、スペック上では他のプランと同じでも価格面では劣っているものがあります(例:Memory Optimized月2000ドルプランとStorage Optimized月2000ドルプラン)。

価格vCPUsメモリSSD帯域
月75ドル(1h - 0.112ドル)1 vCPU8 GB150 GB4 TB
月125ドル(1h - 0.186ドル)2 vCPU16 GB320 GB6 TB
月155ドル(1h - 0.231ドル)2 vCPU16 GB480 GB6 TB
月250ドル(1h - 0.372ドル)4 vCPU32 GB640 GB7 TB
月310ドル(1h - 0.461ドル)4 vCPU32 GB960 GB7 TB
月500ドル(1h - 0.744ドル)8 vCPU64 GB1280 GB8 TB
月620ドル(1h - 0.923ドル)8 vCPU64 GB1920 GB9 TB
月1000ドル(1h - 1.488ドル)16 vCPU128 GB2560 GB9 TB
月1240ドル(1h -1.845ドル)16 vCPU128 GB3840 GB9 TB
月1500ドル(1h - 2.232ドル)24 vCPU192 GB3840 GB10 TB
月1850ドル(1h - 2.753ドル)24 vCPU192 GB5760 GB10 TB
月2000ドル(1h - 2.976ドル)32 vCPU256 GB5760 GB12 TB
月2480ドル(1h - 3.690ドル)32 vCPU256 GB6400 GB14 TB

Bare Metal

Bare Metal(ベアメタル)はこれまでのような仮想環境ではなく、既に用意されている専用の物理サーバをそのまま使うことができます。

そしてこの物理サーバのハードウェアは共用ではなく、契約したユーザに対して100%割り当てられている(シングルテナント)ため、CPUやディスクIO等で大量のリソースを消費する環境でも全く問題ありません。

更に、すべてのBare Metalプランにはバースト可能な10Gbpsネットワーク接続が含まれていることから、低遅延かつ高スループットの帯域も使用可能です。

その他に、搭載ディスクはRAID設定を初期設定で行えます(Windows Serverの場合はWindowsデバイスマネージャーでソフトウェアRAIDを行う必要あり)。

というようにメリットが豊富なBare Metalですが、現時点ではロケーション25箇所のうち18箇所(日本には用意されています)しか対応していなかったり、スナップショット、カスタムISO、追加のIP、VPCなどの特定の機能は現在利用できないというデメリットもあります。

しかし、手軽かつ搭載されたスペックを余すこと無く、思う存分に活用できるのは非常に大きいメリットなので、多くの処理が必要となるものにはもってこいのプランです。

料金設定は4つのみですが、搭載CPUおよび各種スペックよって様々となっています。

価格CPUsメモリSSD帯域回線
月120ドル(1h - 0.179ドル)4 cores 8 threads 3.8GHz(Intel E3-1270v6)32 GB2 x 240 GB5 TB10 Gbps
月185ドル(1h - 0.275ドル)6 cores 12 threads 4GHz(Intel E-2286G)32 GB2 x 960 GB10 TB10 Gbps
月350ドル(1h - 0.521ドル)8 cores 16 threads 3.7GHz(Intel E-2288G)128 GB2 x 1.9 TB NVMe10 TB10 Gbps
月725ドル(1h - 1.079ドル)24 cores 48 threads 2.85GHz(AMD EPYC 7443)256 GB2 x 480 GB and 2 x 1.9 TB NVMe10 TB25 Gbps

Kubernetes

Kubernetesはコンテナ化したアプリケーションのデプロイ、スケーリング、および管理を行うためのオープンソースのコンテナオーケストレーションシステムです。

Kubernetesを用いることで、高速かつ安全にアプリケーションの開発を行えるため、従来の仮想環境よりも効率的に作業を行うことができます。

Vultrでは独自のエンジンを採用しており、ロードバランサーやDNS等のVultr内のシステムと統合を行えるだけでなく、コントロールプレーンそのものを無料で提供しています。

執筆時点ではAWSのKubernetesサービスではクラスターごとに1時間あたり0.10ドルが必要なため、無料で使えるという存在は大きいです。

そしてVultr Kubernetesで料金が必要となるのは、基盤となるワーカーノードと関連するリソースに対してのみです(ブロックストレージやロードバランサーなど)。

また、Vultr Kubernetes Engine(VKE)は、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)認定のKubernetes適合性プログラムによって認定されています。

VKEは移植性標準に準拠しているため、ワークロードをVultrにすばやく移動することが可能です。

他にも追加のKubernetesツールとして、Vultr Cloud Controller Maneger(CCM)、Vultr Container Storage Interface(VCSI)、Condorがあります。

CCMはVultrの機能を契約ユーザのKubernetesクラスターに接続するツールであり、ノードの状態を監視し、ノードリソースにはそれぞれのVultrインスタンスのホスト名、リージョン、プランID、パブリックIP、プライベートIPが割り当てられます。そしてKubernetesにロードバランサーサービスがデプロイされた場合、必要に応じてCCMは自動的にロードバランサーを展開します。

CSIはKubernetesに対応する永続的ボリュームを作成できます。CSIドライバを使用することにより、ユーザのKubernetesクラスターをVultrのBlockStorageに接続します。

Condorはコントロールプレーンやその他のコンポーネントを必要に応じて管理および構成できる、自己管理型の開発ツールです。

様々な機能を利用できるVultr Kubernetesですが、現時点ではクラスターの接続はクラウドサーバのみでベアメタルでは使うことはできなかったり、Ingressコントローラーは事前構成されていません。

料金設定は前述したように、Kubernetesは無料で使用できるため、支払いはノードの稼働に必要な装置や各種オプションのみです。

Block Storage

Block Storageはコンピューティングインスタンスから直接マウントできる、拡張可能なストレージボリュームを作成するプランです。

データ保護機能を備え、高速に動作するNVMe100%のボリュームを最大10TBまで作ることが可能です。

Block Storageは柔軟でスケーラブルな設計であり、追加あるいは削除することでストレージ要件を簡単に拡大および縮小でき、使用した分だけ料金を支払うシステムになっています。そのため、ディスクスペースの管理が非常に容易です。

また、現在使用しているクラウドインスタンスのローカルディスクを変更せずに、Block Storageで拡張することも可能です。

なお、Block StorageではNVMe SSDがデフォルト設定になっていますが、他にもHDDのBlock Storageも用意されており、HDDでは最大40TBまで作成することができます。

拡張性および柔軟性の高いBlock Storageですが、同一ストレージを複数のサーバにマウントすることはできなかったり(複数のストレージを単一のインスタンスに適用は可能ですが、システムの安定性のために8~10個以上の適用は非推奨)、ベアメタルでは使用することはできません。他にもBlock Storageは同一リージョンでのみ使用可能です。

料金設定は、NVMe SSDで最小10GBで月1ドルから、HDDでは最小40GBで月1ドルからとなっています。

Object Storage

Object StorageはAWSのS3APIに対応している、ファイルオブジェクトを保存および取得するためのストレージプランです。

このストレージはウェブアクセス可能(デフォルトではプライベート)で、S3対応のアプリケーションやサードパーティのツールと簡単に統合できるため、多くのアプリケーションを柔軟性および拡張性の高い状態で管理することができます。

同じストレージでもObject StorageとBlock Storageは異なっており、Object StorageではHTTPSを介してファイルを保存および取得するための、インターネットアクセス可能なエンドポイントを提供します。

対してBlock Storageは、クラウドサーバにマウント可能なディスクボリュームを提供します。そしてBare MetalではBlock Storageを利用できません。

Object Storageでは高可用性とデータの耐久性を確保するために、3回自動的にアプリケーションのデータが複製されます。

また、ストレージはNVMeを採用しているため、高速なキャッシングレイヤーによってパフォーマンスを向上させており、頻繁にアクセスされるデータは高速に利用可能です。

使用用途は非常に多く、cPanel、Wordpressといったアプリケーションのバックアップだけでなく、画像データやJavaScript、CSS等の様々なメディアファイルを扱うCDNオリジンポイントの作成、クラウドネイティブアプリケーションデータの保存、大規模なデータセットのアーカイブ、履歴ログの保存、ディザスタリカバリの設定など、利用可能なものであれば何でも活用できます。

料金設定はストレージおよび契約した帯域によって変化するようになっており、ストレージは250GBで月5ドルから、帯域は1TBごとに月10ドルが加算されます。

Load Balancers

Load Balancersはその名の通りロードバランサーであり、TCP、HTTP、およびHTTPSのプロトコルで使用可能、そして1台ごとに最大10,000の同時接続をサポートします。

ロードバランサーを使うことで水平スケーリングが有効になるため、インスタンスに発生する負荷を大きく分散することができます。

VultrのロードバランサーはAPIを用いてデプロイと管理を完全に自動化可能であり、更に手動の場合でもワンクリックで即座に導入できます。

また、各ロードバランサーにはヘルスモニタリングと自動フェイルオーバー機能も搭載され、更に独自の統合されたファイアウォールも備わっています。

他にもロードバランサーに独自のSSL証明書を所有することで、SSL(TLS)構成オプションを使用してトラフィックを簡単に保護し、ロードバランサーとアプリケーションのトラフィックを保護します。

なお、ロードバランサーは複数の並列インスタンスで拡張できるアプリケーションに効果的ですが、アプリケーションインスタンス間のファイル同期やデータベースの一貫性には対応していません。

加えて、ロードバランサーを設置できるリージョン、および設置するインスタンスと同じリージョンではないと使用できません。

料金設定は1台につき月10ドル(1h - 0.015ドル)になっています。ロードバランサーの帯域に関しては課金対象ではないため、通常と同じく使用するインスタンスの帯域にのみ料金が発生します(つまりロードバランサーの帯域使用は無料)。

Managed Databases

Managed DatabasesはVultrに最近搭載された新しいプランです。

サポートしているデータベースはMySQL、PostgreSQL、Redisです。

Managed Databasesは安全で可用性が高くスケーラブルであり、更に使用時点で既に機能可能なのが特徴です。

そしてデータベース管理の多くの困難な側面を自動化することで、ユーザの手間を可能な限り抑えます。

処理性能の拡張はより強力なインスタンスを使用して垂直方向にスケーリングするか、レプリカノードを追加することで水平方向にスケーリングすることが可能です。

バックアップはシームレスなポイントインタイムリカバリ(PITR - Point-In-Time Recovery)が1分単位で可能になります。3つのノードクラスターによって最大14日間のバックアップを保持します。

それだけでなく、継続的な監視とレプリカノードへの自動フェイルオーバーにより、管理対象データベースは99.99%のSLAに守られています。

データベースのアップグレードを行う際には、ダウンタイムを最小限に抑えつつ、自動アップグレードスケジュールを設定するか、オンデマンドでアップグレードをトリガーします。

また、データは保存中および転送中に暗号化されます。データベースはVPC(Vultr Private Cloud)ネットワーク内で実行され、アクセスはIPホワイトリストに制限されます。

料金は使用するデータベースのタイプで変化しており、MySQLの場合は月90ドル(1h - 0.134ドル)から月26880ドル(1h - 40ドル)までのハイクラスなプランまで用意されています。

Cloud GPU

Cloud GPUは最近Vultrに登場した新しいプランです。

このプランでは物理GPUを個別の仮想GPUに分割していますが、それぞれが独自のメモリおよびコンピューティングを備えています。

GPUでは自然言語処理、音声認識、コンピュータービジョン、ディープラーニングやAI、モデル構築等様々な分野で活用することができます。

また、使用するGPUはいわゆる一般向けのものではなく、NVIDIA A100やA40、A16等の非常に性能の高いハイクラスなGPUが用いられます。

更にこのプランは他のプランと同様に、ワンクリックアプリやカスタムISO、ライブラリもすぐにプレインストールとして使用することが可能です。

料金は月90ドル(1h - 0.134ドル)から、一ヶ月14000ドル(1h - 20.833ドル)まで用意されています。

ユースケース

VPSサービスはユーザの方針次第で様々なことに活用できますが、Vultrは使用用途の一例として『Website Hosting』『SaaS』『Game Servers』『Video Streaming』『VPN』を挙げています。

Website Hosting

ウェブサイトとしてサーバを運用する場合、ブログやシンプルなウェブサイトのように簡単なものもあれば、リアルタイムのインタラクティブアプリのように複雑な動作が必要となるものもあります。

しかし、Vultrでは構築するサイトの種類に関係なく、低コストで高パフォーマンスなウェブサイトを提供できるため、ホスティングに最適です。

運営するウェブサイトの規模にもよりますが、個人的な趣味程度でアクセス数がそこまで多くなくてサーバの負荷が少ない場合は、低価格のインスタンスでも十分なパフォーマンスを得ることが可能です。

また、リソースを大量に消費するウェブサイトであれば、Bare Metalを採用すると快適にサイトを運営することができることでしょう。

他にもVultr Kubernetesはクラウドネイティブアプリ用に採用することができます。

インスタンスのレベルも大から小まで様々用意されており、各ユーザのニーズに合った最適なマシンを柔軟に選べることもメリットです。

更にマーケットプレイスアプリを使えば、手軽にサービスを構築することもできます。

そしてVultrはAWS等の大企業が運営するサービスが提供するマシンと同様のリソースを備えており、各Vultrインスタンスには十分な帯域幅とSSDが含まれていることから、コスト面でも非常に優れています。

例えばVultr Cloud Compute(2vCPU,4GB RAM, 80GB SSD, Bandwidth 3TB)とAWS T4g.medium On Demand(2vCPU, 4GB RAM, 80 GB General Purpose Storage)を比べた場合、Vultrではインスタンス使用量として月20ドルで使用することができます。

しかし、AWSでは月24.53ドル(instance x $0.0336 USD x 730hr/mo)に加えてストレージコスト月8ドル、帯域使用量(3TBだと1GBあたり0.09ドルで261ドル)も合わせると合計293.53ドルも必要となっています。

Vultrでは月20ドルしか必要でないため、10倍以上もの価格差が発生しています。

ほとんど同じパフォーマンスでこれだけのコストが浮くため、予算をフルに活用するならば、更に良い環境を構築できることでしょう。

SaaS

SaaSはSoftware as a Serviceの略で、クラウド化させたプログラムをソフトウェアとしてサービス提供することを指します。

SaaSアプリケーションは高性能を求められていますが、開発者は使いやすさ、そして財務は収益を重視しています。

そこでVultrを使用すると、グローバルなクラウド上でバランスの良いSaaSアプリケーションを実行できます。

Vultrのインフラストラクチャはウェブおよびモバイルアプリに最適であり、開発者向けに設計されたVultrの合理化されたコントロールパネルにより、仮想サーバとベアメタルサーバ、ブロックストレージ、Kubernetesクラスタを簡単に準備できます。

Game Server

オンラインゲームを構築するスタジオや自身と友人のための専用ゲームサーバなど、Vultrでは大小の規模に関係なく最適なゲームサーバを構築可能です。

例えばマインクラフトやCounterStrikeのサーバ、またはSteamCMDもインストールして使用することができます。

これら方法はドキュメントに記載されているため、ガイドを活用すれば誰でも構築できます。

Video Streaming

Vultrは動画配信のホスティングにも向いています。

ストリーミングにおいて重要なのは途切れの無い高画質な環境であり、Vultrでは低コストでその環境を構築できます。

また、Vultr Marketplaceではワンアクションで搭載可能なアプリケーションが用意されていることから、誰でも手軽にストリーミングのセットアップが可能です。

VPN

VPNはVirtual Private Networkの略で、オンラインのプライバシーを保護する仮想プライベートネットワークです。

Vultrでは独自のVPNを実行するか、Vultrとパートナー関係にあるVPNアプリを使用することが可能です。

使用方法

このセクションではVultrの登録および入金、そして実際にインスタンスを構築するまでの手順を紹介します。

登録

まずはVultr公式ページに移動し『Sign Up』を選択します。

※最初にも述べたように、当記事ではVultrのリファラルを使用していますが、そのリンクを経由して登録したユーザには100ドル分のチャージが無料で付与されるため、お得となっています。

Sign Upを選択する

アカウント作成ページに移動したら、メールアドレスとパスワードをそれぞれ入力し、Captchaがあればチェックしてから『Create Account』を選びます。

なお、パスワードはセキュリティの面から半角大文字1つおよび半角小文字1つ、半角数字1つ、文字数10以上でないと受け付けません。

メールアドレスとパスワードを入力して『Create Account』を選ぶ

作成後はコントロールパネルの『Billing』ページに移動します。この時、ページ内に『$100 Free Credit +$100』が表示されていれば、Vultr内で100ドルを無料で使用することができますが、まずは何らかの方法で入金を行わなければなりません。

ログイン直後、コントロールパネルの『Billing』ページに移動する

例としてクレジットカードの場合、『Your Name』は使用するカードの名義人名、『Billing Address』はカードに登録した住所を都道府県以下で記入、『Billing City』は対応する都道府県、『Billing Postal Code』は郵便番号、『Billing Country/Region』は住所に対する国です。

これらはすべてローマ字で記入します。

次にCredit Card Detailsでは『Credit Number』にクレジットカードの番号、『MM/YY』はカードの有効期限を下二桁(月/年)、『CVV』はカードの裏面にある3ケタの数字を入れます。

それが完了したら、そのカードで支払いをどれだけ行うのか、10ドルから250ドルもしくは手打ちで入力します。

この時『I just want to link my credit card -$0.00 deposit』にチェックを入れることで、現時点では支払いせずにカード情報の登録だけすることも可能です。

最後に、規約に同意する場合は『I Agree to the Terms of Service』にチェックを入れ、最後に『Link Credit Card』で支払いを完了させます。

各種支払情報を登録する

支払い情報の登録完了後、次回からはほぼワンアクションのみでアカウントにチャージすることが可能となります。

支払い登録以降は簡単にアカウントへのチャージが可能

コントロールパネル

このセクションではコントロールパネルの各項目について説明します。

Products

まず『Products』ページは、各種インスタンス構築の起点となっています。

右上の青背景の『+』から、インスタンスあるいは各オプションの設定ページに移動できます。

また、それぞれのタブでも様々な機能を使用することが出来ます。

起点となる『Products』ページ

Billing

次に『Billing』ページは支払い関連の情報を扱っています。

『Make Payment』では料金の支払い、『Limits』はアカウントの最大インスタンス数もしくは最大コストの制限および緩和、『History』は支払履歴を表示します。

支払関連の情報を表示する『Billing』ページ

Support

『Support』ページは問い合わせやFAQなどの項目を扱っています。『Open Ticket』はサポートへの問い合わせ、『Frequently Asked Questions』はよくある質問を表示しています。

問い合わせやFAQを扱う『Support』ページ

Refferal Program

『Refferal Program』はリファラル、いわゆるアフィリエイトを扱うページです。

『Linking Code』は通常のリファラルリンクを表示し、『Give $100, Get $35』は期間限定キャンペーンコードの表示(大抵は年中何らかのキャンペーン有り)、『Brand Assets』はVultrの各種バナーの一覧、『Stats』はリファラルの統計、『Payouts』は報酬の受け取り履歴および受け取り方法の変更です。

リファラルに関する各情報を扱う『Refferal Program』ページ

Account

『Account』は住所や認証、お知らせなどの情報を管理するページです。

『Profile』はメールアドレスや住所、名前などの個人情報を表示し、『Authentication』はパスワードの変更や二段階認証の設定、『API』はアプリケーションプログラムインターフェイスの使用有無、『Users』は管理者の編集、『Notifications』は各種お知らせをメールアドレスに送信するかを選択します。

リファラルに関する各情報を扱う『Refferal Program』ページ

Vultr Docs

『Vultr Docs』はVultrを使用する際の各種ドキュメント等のナレッジベースをまとめているページです。

他にもVultr内で良質な記事の執筆や要望を行うための項目も設置されています。

各種ドキュメント等を扱う『Vultr Docs』ページ

インスタンスの構築

ここでは、Vultrでインスタンスを構築するまでの流れを紹介します。

構築そのものはとても簡単に行うことが可能です。

まずは『Products』ページに移動し、+マークを選択して『Deploy New Server』を選びます。

『Deploy New Server』を選択する

すると『Deploy New Instance』ページに移動するので、サーバのタイプとCPUを選択します。例ではVultr内で安価で一般的な『Cloud Compute』および『AMD High Performance』を選んでいます。

使用するサーバタイプとCPUを選択する

『Server Location』では設置したいロケーションを選びます。例では『Tokyo』を選択しています。

インスタンスの設置ロケーションを選択する

『Server Image』は使用したいオペレーションシステム(OS)を選びます。例では『Ubuntu 22.04』を選択していますが、他にもISOイメージをアップロードしてそれを使うことも可能です。

使用するOSを選択する

『Server Size』ではインスタンスのプランを選びます。例では月6ドルプランを選択しています。

インスタンスのプランを選択する

『Add Auto Backups』ではインスタンスを自動バックアップするかどうかを選びます。ただし、自動バックアップは使用するプランの20%分の月額料金が発生します。例ではOFFにしています。

『Additional Features』はIPv6やDDoS Protection、Cloud-Init、VPCの有無を選択できます。例ではすべてにチェックを外しています。

『SSH Keys』は使用したいSSHキーがあれば登録します。例では使用していません。

最後に『Server Hostname & Label』はサーバのホスト名およびラベルを命名します。

これですべての項目が完了したため、問題が無ければ『Deploy Now』を選択することでインスタンスの構築が始まります。

各種項目の設定が完了したら『Deploy Now』でインスタンスが構築される

自分でアップロードを行ったカスタムOSの場合は初期インストールから設定する必要がありますが、Vultrで標準搭載されているOSの場合は全て自動でインストールが行われます。

OSのインストールが自動的に行われる

Server Information

構築されたインスタンスを選択することで『Server Information』というインスタンスの個別管理ページに移動します。

このページではインスタンスの再起動から削除、コンソール経由での閲覧、各種設定が行なえます。

最初に表示される『Overview』タブはサーバのスペックおよび各種使用率、現在発生中の料金などを確認できます。

『Usage Graphs』タブは帯域、CPU、ディスク、ネットワークの使用状況を確認可能です。

『Settings』タブはプランやOSの変更など、サーバの各種状態を管理することが可能です。

『Snapshots』タブはスナップショットの管理が行え、『Take Snapshot』を選択することですぐにディスクを手動バックアップ可能です。

『Backups』タブは自動バックアップの状況を管理します。

『User-Data』はCloud-Initに関するデータの更新が行なえます。

『DDOS』はDDoSProtectionに関する管理を行います。

インスタンスの個別管理ページ

おわりに

Vultrは設立当初から良い製品を継続的にリリースしている優れたサービスです。

今では数年前よりもユーザ数や売上を非常に伸ばしており、それに伴って新しい便利なサービスがリリースされたりサーバ性能のアップも行われてきました。

個人的にはUIおよびUXの良さや、比較的低価格で多機能という点でVultrを使い続けています。

とはいえ、すべてにおいて秀でているわけではなく、所々では他社サービスが優れているケースもありますが、様々な競合がいることによってサービスも向上するため、これからのさらなる成長を期待したいところです。

登録後は無料チャージによって多くの機能を試用することができるため、少しでも気になっている場合は一度試してみることをおすすめします。